富山県氷見市で発生した豪雨により、山間部では土砂崩れなどで道路が寸断され、孤立する集落が発生しました。
その中で注目されているのが、ドローンを活用した支援物資の輸送です。
氷見市の床鍋(とこなべ)地区では、道路が通行できなくなり、16世帯22人が孤立状態となりました。
車両による物資輸送が難しい状況を受け、最大40kgまで運搬できるドローンを使い、食料品や生活用品が住民の元へ届けられました。
道路が寸断された災害現場で、ドローンはどのような役割を果たしたのでしょうか。
当記事では、氷見市豪雨による孤立集落の状況やドローンによる物資輸送の内容、災害支援にドローンを活用するメリットと今後の可能性などについて深掘りします。
氷見市の豪雨で山間部の集落が孤立
富山県では2026年8月27日からの大雨により、土砂崩れなどの被害が発生しました。
県は、多数の人が生命または身体に危害を受ける、あるいは受けるおそれがあり、継続的な救助が必要になっているとして、氷見市を含む4市に災害救助法を適用しています。
氷見市の山間部でも、集落へつながる道路が土砂崩れなどによって通行できなくなりました。
中でも床鍋地区では、車両が道路を通行できない状態となり、16世帯22人が孤立しました。
山間部で道路が寸断されると、住民の移動だけでなく、食料品や日用品を運ぶことも難しくなります。
孤立が長期化すれば、食料や生活必需品の確保が大きな問題になります。
そこで今回、道路を使わず「空」から物資を届ける手段としてドローンが活用されました。

最大40kg運べるドローンで支援物資を輸送
床鍋地区への支援物資輸送を担ったのは、富山県が災害時の協定を結んでいる富山県ドローン物資運搬協会です。
富山県と同協会は2024年12月、災害時にドローンを活用して孤立集落などへ物資を運搬するための協定を締結していました。
今回の豪雨では、この災害時応援協定を活用してドローンによる物資輸送が実施されました。
運ばれたのは、トイレットペーパーや紙おむつなどの生活用品をはじめ、レトルト食品やカップ麺などの食料品です。
使用されたドローンは最大40kgまで物資を運搬可能な機体でした。
運搬した距離は直線で約500m、標高差は約50m。
ドローンは出発してから約5分で荷下ろしまで完了し、計3往復の輸送を問題なくこなしたということです。
わずか500mと聞けば、それほど長い距離には感じないかもしれません。
しかし、道路が土砂崩れなどで通れなくなっている災害現場では、その500mが大きな障壁になります。
ドローンなら道路の寸断箇所を空から越えられるため、孤立した住民へ比較的短時間で物資を届けることができます。
今回の氷見市での取り組みは、災害時におけるドローン物資輸送の実用性を示す事例の1つと言えるでしょう。

なぜ災害支援にドローンが使われたのか?
災害時にドローンを活用する大きな理由の1つが、道路状況の影響を受けにくいことです。
豪雨や地震などの大規模災害が発生すると、土砂崩れや道路の陥没、倒木などによって道路が通行できなくなることがあります。
特に山間部では、集落へ向かう道路が限られている場合があります。
主要な道路が1本寸断されただけでも、車両によるアクセスが難しくなり、集落が孤立する可能性があります。
一方、ドローンは道路そのものを走行する必要がありません。
安全に飛行できる環境や離着陸場所などの条件を確保できれば、通行止めになった場所を越えて物資を運べる可能性があります。
また、人が危険な場所を徒歩で往復して物資を運ぶ必要性を減らせることもメリットの1つです。
今回の氷見市のケースでは、約500mの距離を飛行し、出発から荷下ろしまで約5分で完了しました。
「道路が使えない場所を越えて必要な物資を届ける」というドローンの特徴が生かされた災害支援だったと言えます。
さらに重要なのが、災害が起きる前から自治体と事業者・団体が連携していた点です。
富山県と富山県ドローン物資運搬協会は、2024年12月に「災害時におけるドローンを活用した物資運搬等に関する協定」を締結しています。
災害発生後にゼロから輸送体制を構築するのではなく、予め協力関係を構築しておくことは、迅速な災害対応につながります。
災害時のドローン輸送にはどんな可能性がある?
今回の氷見市豪雨で行われた物資輸送は、ドローンが災害時の「ラストワンマイル」を担う可能性を示しています。
例えば、大規模な避難所まではトラックで物資を運べても、そこから道路が寸断された小規模な集落へ車両で届けられないケースが考えられます。
こうした場面で、ドローンを組み合わせることができれば、孤立した地域まで物資を届けられる可能性があります。
今回運ばれたような食料品やトイレットペーパーなどの生活必需品だけでなく、災害時には様々な物資を迅速に届ける必要があります。
今後、機体性能や運用体制などがさらに整えば、災害支援におけるドローンの活用範囲が広がることも期待されます。
ただし、ドローンは災害支援の万能な手段ではありません。
強風や大雨などの気象条件によっては安全な飛行が難しくなるほか、機体ごとに運べる重量や航続距離にも限界があります。
また、離着陸場所の確保や周辺の安全確認なども必要です。
そのため実際の災害現場では、トラックやヘリコプター、人による輸送など既存の手段とドローンを適切に組み合わせることが重要になるでしょう。
氷見市の舛田建治主査も、住民の要望を踏まえながら方法を検討し、まずは孤立している住民の生活を支えたいとの考えを示しています。
「最新技術を使うこと」そのものが目的ではなく、被災した住民が必要としている物資を、安全かつ迅速に届けるために最適な方法を選択することが重要です。

よくある質問
Q1. 氷見市では何人が孤立しているのですか?
今回ドローンによる物資輸送が行われた氷見市床鍋地区では、土砂崩れなどによる道路の通行止めで、16世帯22人が孤立状態となっていました。
Q2. 氷見市ではドローンで何を運んだのですか?
トイレットペーパーや紙おむつなどの生活用品、レトルト食品やカップ麺などの食料品が運ばれました。
富山県の事前発表でも、床鍋地区から要望のあった生活必需品や食料品などを輸送するとしています。
Q3. 使用されたドローンは何kgまで運べますか?
今回使用されたドローンは、最大40kgまで運搬可能と報じられています。
Q4. ドローンはどのくらいの距離を飛んだのですか?
運搬距離は直線で約500m、標高差は約50mでした。
出発から約5分で荷下ろしまで完了し、計3往復の輸送を問題なく行ったということです。
Q5. なぜ車ではなくドローンで物資を運んだのですか?
床鍋地区につながる道路が土砂崩れなどの影響で車両通行できなくなっていたためです。
ドローンを使うことで、道路の通行止め箇所を越えて孤立した地域へ物資を届けることができました。
Q6. 災害時にドローンを使うメリットは何ですか?
大きなメリットは、道路が寸断されていても、飛行条件が整えば空から物資を届けられることです。
特に山間部や孤立集落への食料・生活必需品の輸送などで活用できる可能性があります。
一方、強風や豪雨などの天候、積載重量、航続距離、安全な離着陸場所の確保といった制約もあるため、他の輸送手段と組み合わせることが重要です。

まとめ
富山県氷見市を襲った豪雨では、土砂崩れなどによって道路が通行できなくなり、山間部の床鍋地区で16世帯22人が孤立しました。
そこで活用されたのが、最大40kgの物資を運べるドローンです。
トイレットペーパーや紙おむつなどの生活用品、レトルト食品やカップ麺などの食料品を積み、直線約500m、標高差約50mの区間を飛行。
出発から荷下ろしまで約5分で完了し、3往復の輸送を行いました。
今回の事例で特に注目したいのは、災害が発生してから急きょドローンを用意したのではなく、富山県と富山県ドローン物資運搬協会が事前に災害時の協定を結んでいたことです。
豪雨や地震などによって道路が寸断されれば、山間部の集落が孤立する可能性はどの地域にもあります。
従来の車両輸送に加え、状況に応じてドローンという新たな選択肢を活用できれば、災害時の物資輸送をより柔軟にできる可能性があります。
今回の氷見市での取り組みは、ドローンが単なる撮影機器ではなく、孤立した住民の暮らしを支える災害支援の手段として活用できることを示した事例と言えるでしょう。
※記事内の画像にはイメージが含まれています。



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